取材時代の思い出より…(🔞18禁)はご時世を考えて、少しずつ公開していきます。
阿修羅男爵
タウン誌発行後のある日、営業兼取材を担当しているスタッフからひっ迫した声の電話があり、何事かなと思って話を聞くと
泣きそうな声で…
「住所スペックの部分で、飲食店が入るテナントビルの名前を間違えて、
ビルオーナーから強烈な抗議があった」
「責任取れ!」
「落とし前はどう付けるんや!」
取り付く島もないぐらい激高している…どうしましょう?
「どうしましょうもこうしましょうも
出向いて謝るしかないやんかぁ」
行きました
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ビルに入り最上階に着きエレベータが開くと
一斉に怒れる犬の吠える声が…
声の主、檻に入ったドーベルマンが5匹
しかも檻はリモートで解錠できる形式
「何やここは?」🙁
ピンポ~ン♪♪
扉を開けて出て来たのが、さわやかなインターフォンの音色に似つかわしくない
どう見ても
頭に“や”が付く自由業の兄さん。
どすの利いた丁寧な
「どうぞ、お入りください」
が逆に怖いがな
中に入ると更にびっくり、広大なリビングの奥にバーカウンターのようなものがあり
天井まで届くくらい大きな白黒写真のパネルが
…そこには
鋭い目つきでほほ笑んでいる
短髪オッサンの顔😰
部屋の端の方に大きな神棚があり
その隣には額に入った
どこかで見た事のあるシンボルマークが…😱
「これはアカン!腹痛いと言って帰ろうかなぁ」
そこへ現れたのが、大男2人を引き連れムービースターのように颯爽と現れた
“The 姐さん”
この姐さん
第一印象はマジンガーZに出てくる
“アシュラ男爵”
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表情が顔の右と左で全然違うが、笑うと可愛らしい少女のような顔になり、コロコロ変わる表情に不思議な魅力がある
(感心してる場合ではないが😅)
「あんたが責任者かぁ?まあ座りいなぁ」
ソファーに座るなり、とても怖い目つきで話し出した
「あの人が亡くなって
まだ一年も経ってないんや」
「ビルの名前が違うと
あの女、早々に金の為に
建物売却したと世間に思われるやろ」
「私ぁたしらぁ~の
メンツが丸つぶれや」
吠えよった!😱
「発行した分、全部回収してくれ」…
ものすごい剣幕でまくしたてられた😰
確かに言われている事はその通りで
筋は通っている
まずは姿勢を正して謝りました
「本来は全部回収して再発行が良いのでしょうが
それは物理的に無理やと思います」
「それはアンタとこの理由やろ
何とかするのが誠意や」
出たぁ!業界の常套句“誠意を見せてくれ”🤐😱
!!困った中で、何故か咄嗟にひらめいた
これは面白そうやし😓
本気でやろうと思ったので熱を込めて説明しました(役所は怒るやろなぁ)
「….では次回発行分で訂正文は入れるとして
臨時号(1枚もの)を発行地域全世帯に新聞折り込みではどうでしょう?」
題名は…
「惻隠の心で任侠道を貫くのが我が使命!
地域の治安を守る〇〇ビルオーナー〇〇さん」
顔写真入りでテナントビルの広告も兼ねて…
バァーンと😁
「ハァ?アンタぁアホか!
私が表に出るわけいかんやろ」
「それにしても…中々うまいこと言うやん」
幸か不幸か、少し空気が緩んできた
結果、次号でオーナーの名前や写真は出さずに、テナントビルの広告と目立つ訂正文で落ち着き、打ち解けると意外に気の良い方で
「近所に来たら駐車場を
いつでも使ってくれてええで」
(出来るだけ近所には来ません)
「今度美味しいもの食べさせたるわ」
(滅相もございません)
また、身の回りの世話をしている可愛い女の子の話題とか
「この子の親が当分帰れない(多分?塀の中)からうちにいてるんや
さっきの子らも子供の時からいてるで」
「実は、毎回タウン誌楽しみなんや」
どうでもいいような雑談になって、2時間ぐらい経って夜になってしまった
会社に帰って駐車して、玄関に回ると社長筆頭に社員たちが揃って待っていた
「ホンマ大丈夫?でしたか、もう少し待って帰って来ないなら警察に連絡しよか迷っていた」
ホンマかよ?
「あの場所、どういう所か知ってましたん?」
「わし、あの手の人間苦手やねん」
「知っとったんかい!!」「そら誰だって苦手やろ!」
とか言いながら、改めて最敬礼でお出迎えしてもらった
「ご苦労様です!」
「アホか、あんたらもその筋の人かよ」
その後は年始に
「ラブレター来てるで!」
見ると封書2つ折りの金箔づくしの年賀状を頂いたり、広告のお礼と言われ食事の招待もして頂きました。
お付きの人達に囲まれてミナミを闊歩するのも初めて経験させて頂きました😂
(知り合いに見つかったらどうしよう😰)
と思いながら
