5弦バンジョーは、アメリカのフォーク、ブルーグラス、オールドタイム音楽などで広く使われている楽器で、独特の明るく跳ねるような音が特徴です。
5弦バンジョーの構造、種類、演奏スタイルについて記載しています。
近代のBanjoは「The America」とも言える楽器なので、情報収集でのAIからの回答もかなり詳細でした。
奏法や曲、ミュージシャン等はテキストにハイパーリンクを貼っています。
外見もデザイン的に優れたインレイ(象嵌のポジションマーク)や各所に装飾を施したものも多く、美術品に近いものも多く存在します。
5弦バンジョーの歴史
5弦バンジョーの歴史は、アメリカ音楽の歴史と深く結びついていて、とても興味深い。
簡潔に変遷を紹介します。
起源とアフリカからの影響(17?~18世紀)
・アフリカ由来:バンジョーの原型は、西アフリカの弦楽器(アクンティング、ングニ、ハルグなど)で、ヒョウタンや木の胴に動物の皮を張り、弦を張ったものでした。
・奴隷制度とアメリカ南部へ:アフリカから連れてこられた奴隷たちが、アメリカ南部でその楽器を再現・改良し、「バンジャー」「バンジョー」と呼ばれるようになりました。
19世紀:ミンストレル・ショーと5弦バンジョーの誕生
・ジョエル・S・ウォーカー(Joel Sweeney):バージニア出身の白人バンジョー奏者で、1830年代?1840年代に活躍。彼が5本目の短い弦(5弦)を加えたとされており、今日の5弦バンジョーの祖とされます。
ミンストレル・ショー:黒人の文化を模倣したこのショーで、バンジョーは人気楽器となり、一般大衆にも広がっていきました。
20世紀前半:オールドタイムとフォーク音楽
アパラチア山地の人々によって、5弦バンジョーはオールドタイム音楽の中心的な楽器に。
フレイリング(クラウハンマー)奏法が主流でした。これは親指と指でリズムを刻むスタイル。
50年程前に日本でも伝説的フォークシンガー「ピート・シーガー」著による日本語の「5弦バンジョー教本」がありました。
1940?~50年代:ブルーグラスの誕生とアール・スクラッグスの登場
アール・スクラッグス(Earl Scruggs)が登場し、3フィンガー・ロールという革新的な奏法を広め、5弦バンジョーのイメージを一新。
ビル・モンロー率いる「ブルーグラス・ボーイズ」に参加し、バンジョーを高速で技巧的なブルーグラス音楽の主役に押し上げました。
現代:ジャンルを超えて
ブルーグラスだけでなく、フォーク、カントリー、ジャズ、ロック、さらにはクラシック音楽まで多様なジャンルで使われています。
現在ではエレクトリック・バンジョーや、クロスオーバー系の奏者も登場し、世界的に人気の楽器です。
5弦バンジョーという楽器
バンジョーは、楽器自体がパーツの組み合わせで出来ている為(ブリッジ、ヘッド、トーンリング等)それらの組み換え等で音(柔らかい音色~ハードな音色)やビジュアルが変わり色々と楽しめます。
何故、弦楽器に金属を組み込んだのでしょうね?
各パーツに拘りカスタマイズを繰り返すと、本来の演奏よりもドンドン「オタク」「コレクター」の世界に突入します。
あなた
ChatG5弦バンジョーの有名な楽器メーカーと伝説的および現代の有名奏者について、それぞれ紹介していきます。
永遠の伝説 Prewar Mastertone Banjo
「Prewar Mastertone(プレウォー・マスタートーン)」は、バンジョー界で伝説的な存在です。これは主に第二次世界大戦前(pre-war)に製作されたGibson社のMastertoneシリーズの5弦バンジョーを指し、ブルーグラスにおける“聖杯”とまで言われています。
そもそも「Mastertone」とは?
製造元:Gibson(米国ミシガン州カラマズー)
Wood Rim に貼る(Kalamazoo Gibson)のレプリカステッカー等も販売されています。登場:1925年にGibson社が導入した高級モデルのブランド名
特徴:トーンリング付き、メイプルorマホガニー製リム/ネック、高品質な構造
「Prewar」=何年まで?
通常「1925年〜1941年製」までが「プレウォー」と呼ばれます。
WWII中(1942〜1945年)は生産がほぼ停止。
戦後再開したモデル(Post-war)は品質やサウンドが異なります。
代表的なプレウォーMastertoneモデル
モデル名 | 主な特徴 |
---|---|
RB-3 | マホガニーネック、単純インレイ、暖かく柔らかな音 |
RB-75 | JD Crowe愛用、メイプルネック、非常にパワフルな音 |
RB-4 | ウォルナット材、スネイル型(スノーフレーク)インレイ |
RB-6 / RB-7 | 豪華装飾、アバロン貝インレイ、希少モデル |
Style 5 | ファイバー・スキン・ヘッドとの相性抜群 |
▶モデル名の「RB」は “Regular Banjo”(5弦)を意味します。
プレウォー・サウンドの特徴
太くて深みがある
「ポップ」っと跳ねるようなアタック感
ヴィンテージ独特のエイジングされたトーン
音の分離(note separation)が良く、速弾きに向く
「ボリューム全開でも破綻しない艶のある音」「空間を突き抜けるが耳に刺さらない」
なぜ今でも人気?(神話レベル)
Earl Scruggsが使っていた!バンジョー弾きの「神様」
→ 彼のバンジョーは1930年代のRB-Granada(プレウォー)もう製造されていない → 戦前の製法(トーンリング材や組み込み精度)が再現困難
木材と金属パーツの自然経年変化 → 「鳴り」や「響き」が生き物のように熟成
音・歴史・希少性の三拍子が揃っている
現在の市場価値(2025年)
コンディション | 市場価格(参考) |
---|---|
オリジナルの5弦RB-75 | $80,000〜200,000以上 |
リストア or ネック換装モデル | $20,000〜60,000 |
テノール→5弦改造個体(”conversion”) | $10,000〜30,000 |
※オリジナルはほぼ現存しないため、元々はテノールバンジョー(4弦)だった個体にFrank Neatなどが5弦ネックを後付けする「コンバージョンバンジョー」が現在主流です。
音が聴ける代表的プレイヤー
プレイヤー | モデル/使用音源 |
---|---|
Earl Scruggs | RB-Granada(1930年代) |
J.D. Crowe | RB-75 conversion(Frank Neat製ネック) |
Ron Stewart | RB-3 / RB-75 |
Jim Mills | 複数のプレウォーを所有・録音も多数 |
Sonny Osborne | RB-3改 |
🎧 YouTubeで「prewar Gibson banjo sound」などで検索すると、比較試奏がたくさん聴けます!
Prewarのリプロやレプリカ
Huber Banjos(Truetone)
Yates Banjos
Stelling / Bishline / Hatfield / Nechville(各社Custom)
Frank Neat(ネック換装)+オリジナルトーンリングの組み合わせ
まとめ
「Prewar Mastertone」はただの楽器ではなく、アメリカの音楽史そのものとも言える存在です。